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2018年5月13日

保健室にいるとわかること

 保健室にいるとわかることがあります。

 それは天気です。

 低気圧が近づいてくると、体調を崩す生徒が増え、ベッドが埋まります。

 高気圧のときは、静かな、来室者のない保健室になります。

 天気予報を見なくても、天気がわかります。

 

 もうひとつわかることは、生徒の動向から先生方の精神状態、健康状態がわかります。

 トラブルが起きたり、生徒が保健室に来るときは、大人が不安定なときでもあるのです。

 

 不安なんて感じさせないよう、自信たっぷりに見せていても、子どもは感じています。

 担任が変わると、保健室に来なくなる生徒もいます。

 何か起きたときに、相談に来たり、不安を吐きにくる先生は、ピンチがチャンスとなり、教師としても、人間としても成長していきます。

 一方で、プライドが高く、人に弱みを見せられない教師というのは、自分のなかで不安がどんどん大きくなっていきますから、うまくいかなくなるのです。

 ちっぽけなプライドは、捨てた方がいいのです。

 器の小さい人になってしまいます。

 

 いろんなものが見えてきて、保健室にいるとおもしろいです。

 同じ現象でも、楽しめる人と苦しむ人がいます。

 見方を変えるだけで、結果は変わってくるのです。

 

 保健室から、学校を動かすことだってできると思います。

 自分は動かずに、人を動かし、学校を動かしていく。

 そんなことができるのは、保健室です。

 養護教諭って、すごいことができるのだと思います。

 養護教諭が楽しめば、学校を変えることもできます。

 なかには承認欲求が満たされていない養護教諭が、目立とうとして失敗しているケースも多いです。

 支援員をしていた頃に、いろんな養護教諭と出会いました。

 不満いっぱい、ストレスだらけの人も多いです。

 学校の雰囲気が、保健室にいけばわかります。

 満たされていない人は、いじわるをしてしまうのです。

 解決できるものも解決できません。

 

 表にはでてこないけれど、保健室で静かに学校を変えることも可能なのです。

 思いの中だけで、自分が毒を吐き、不安、恐怖、心配事を吐き出して、こうしたいって思うだけで、動いていきます。

 自分の頭の中でやっていることなので、誰にも迷惑をかけません。

 頭の中で、自分の都合のいいように人を動かしていくのです。

 動いた人が、楽しそうにしているのも、この方法の特徴です。

 

 養護教諭は、ほとんどが1校に1人です。

 孤独な仕事だと思うし、年々、保健室の様子も変わってきています。

 生徒や先生の悩みや愚痴を聞いて、自分の中が毒だらけになってしまいます。

 養護教諭や教育相談担当者が、病気になることは多いです。

 人の悪いものを自分の中に取り込んでしまい、それを吐き出すところがないのです。

 体調にあらわれたり、自分の家族に影響したり、負のスパイラルに入ってしまうと容易に抜け出せません。

 スクールカウンセラーもそうです。

 毒だらけの人が、人を楽にできるはずがありません。

 

 私も、かつてはそうでした。

 吸収した毒で、自分がこわれかけました。

 養護教諭、教育相談担当、支援員、カウンセラーなど、本当は楽でないと、人を楽にすることはできないのです。

 もっと人を楽にしたいと思ったら、自分を楽にするしかないのです。

 

 いろんな保健室を見てきて、感じることです。