2018年6月27日
失敗は成功のもとといいます。
子どもの頃から、失敗しながら学んできたことは多いと思います。
最近、子どもが失敗をしないように、障害物をのぞいている大人が多いと思います。
家庭だけでなく、学校でもそうです。
失敗してはいけない、間違ってはいけない。
ある高校の進学補習に、塾から派遣されました。
女子高校から共学に変わり、進学に力を入れるということで共学1期生をみていました。
学校に個別指導塾ができたという感じでした。
数学のできない子が質問してきたので、答えていると、先生は答えを言わないからいいと言われました。
どうしてか尋ねてみると、あの大学生の先生に聞くと、ちょっと待ってと答えを書き、これと言われて答えを写すだけ。
極端な例のようですが、学校で勤めていて、この教え方が多いことに気付きます。
つまり丸暗記なのです。
もしかすると、塾の学生講師も、そうやって教えられてきたのかもしれません。
自分の学生時代を思い出しても、運よく暗記でなく、解き方、考え方を教えてくださった先生が多いです。
でも、中には暗記で教えてくださった先生もいて、その先生に習ったところは、教員になって教えるようになってわかったことが多いです。
解きながら、試行錯誤していくうちに、身に着けることが多いと思います。
小学校の算数でつまづいている子の多くが、何で?という質問に答えてもらえなかった子たちです。
その何で?に答えていくと、今までできなかった問題が解けるようになります。
数学を例にとりましたが、人生も同じようなことだと思うのです。
正解だけ教えて、この通りにすればいいのよと教えていないでしょうか?
その通りにしようと思ってもできないこともあります。
できないと、否定されます。
認めてもらおうと、言われたとおりにしようとするけれどできないことが増えていく。
そして、言われたとおりにしていても、うまくいかないことが増えてきます。
子どもの頃に、失敗経験なく大人になり、大人になってからの些細な失敗も重大事件のように思えてきます。
子どもの頃、いい子だった子ほど、大人になってから自己否定心が大きくなります。
ストレスがたまり、あるとき一気に爆発し、取り返しのつかない事件を起こすこともあります。
私は、教えない教育、教えない塾をやってきました。
教えない=自分で答えを導く力をつけるということです。
これは、学習だけでなく、人生を考えるうえでも大きな力となります。
塾にきたころは、お母さんがぜんぶ答えていたのに、塾を卒業するころには、自分でしっかりと考えを言える子にかわっています。
自分の進路は自分で決まられる、探すことができる子になっています。
考える力をつけるということは、人生においても大きく変わってくるのです。