2022年1月29日
文科省の「問題を抱える子どもの自立支援事業で、その委託を受けた滋賀県は「不登校にかかる訪問指導等調査研究事業」という名の引きこもり児童生徒の訪問指導でした。
滋賀県から選ばれた市町村に委託された不登校児童生徒訪問支援員をしていました。
不登校訪問支援員になって1年目。
仕事を待っても待っても来ません。
なんと各校の教育相談担当者が、引きこもっている子に支援員を紹介できないという状況が1年も続いてしまったのです。
予算は使わなければいけないけれど、うまくつなげない!
ということで、市教委が抱えている問題を手伝うことに・・・
学校とトラブって市教委に来た解決できない問題にかかわることに。
このまま放っておくと引きこもってしまうので、怒っている保護者に学習支援員を送るので勘弁してって感じで始まりました。
モンスターペアレントのお宅へ派遣されるようになりました。
住所と電話番号だけ知らされ、怒り沸騰中のお宅へ派遣されました。
なんと雑な扱い!?って感じでお宅訪問します。
10年間、病弱教育訪問指導員をしていたので、こんな状況には慣れていますが、相手は怒っています!
でも、気負わずに訪問すると、最初は市教委から派遣されているので、めちゃくちゃ敵対心丸出し。
でも、すぐに打ち解け仲良くなって、学校への不満もなくなります。
市教委としては、予想外に保護者の怒りもなくなり問題解決で。1年目の仕事は学校とうまくいっていない家庭への訪問ばかりでした。
そこから、学校とはコミュニケーションが難しく、不登校の子供たちのお宅への訪問が始まりました。
3年間やりましたが、どちらかというと学校との関係がうまくいっている家庭ではなく、学校との関係が悪い家庭へ派遣されることが多かったです。
そして、どの子も学校に復帰、保護者と学校の関係もよくなりました。
これは、市教委や学校からよく言われました。
難しいことは、何もしていません。
とにかく最初は話を聞くだけです。
先生や市教委、スクールカウンセラー、児童相談所などは、相手の話を聞いたら負けって感じで、正論で責めます。
そんなこと保護者は言われなくてもわかっているのです。
でも、言われれば言われるほど自分がダメだと言われているみたいで、責めてしまいます。
これは、学校に限らずどこでも当てはまると思います。
聞いたら負けではなく、聞いた方がうまくいくのです。
聞いているうちに、相手の急所もわかってきます。
合気道と同じです。
相手の懐に入ってしまって、一突き!
最初に言うから反発されるのです。
聞いて聞いて、最後に一言で済んでしまうのです。
一言を言うまでもなく、自分でそこにいきつくことがほとんどです。
「そうですね」の一言ぐらいですね。
私は何もせずに、先生が言いたいことにいきついて改善します。
埼玉県で起きた猟銃立てこもり事件は、人質だった医師の死亡という最悪の結果となりました。
亡くなった母親の治療方針が不満で争っていたそうです。
訪問診療を受ける前に通っていた病院でも同じだったそうです。
病院で話を聞いてもらうのは難しいのかもしれませんが、不安に思っていることを聞いていれば、治療も納得していたのではないでしょうか?
誰か1人でも不安を聞いてくれる人がいれば、こんな悲しい結果にはならなかったのではないかと思ってしまいます。
最近、いろんな事件が起こっていますが、話を聞いてくれる人が1人でもいれば怒らなかったのではないか?と思います。
人に対して攻撃的な人は不安の大きい人、自己否定心の大きい人です。
自分の悪いところを指摘されたくなくて、言われる前に攻撃してしまいます。
教員や教育委員会、児童相談所や警察、市町村の職員などに対して、攻撃を緩めないのはこわいからです。
そして、いろんな立場の人から否定され続け、さらに関係は悪化していきます。
とにかく言い負かされないように、教員たちも諭そうとします。
そうすればするほど、こじれていきます。
私も、最初は市教委から派遣されたというと、またか・・・と威嚇攻撃されます。
でも、しばらく話しているうちに攻撃がなくなって穏やかになります。
すると、私に対してだけでなく、学校や市教委に対しても対応を変えるようになります。
小学校6年生の男子が学校に来れなくなったとある母子家庭に派遣されました。
その家庭にはずっと登校していない中学2年生の長男もいました。
私は、小学生の男子生徒に派遣されたので、母親と小学生の男子生徒と話していました、
部屋には入ってこないけれど、中学生の長男は近くで様子を見ているなあと感じていました。
だんだん近くにやってくるようになって、一緒には関わらないけれどもてなしてくれるようになりました。
長男からすれば、またお母さんをいじめる奴がきた!という感じなんでしょう。
家に引きこもっているのは、母親を守ろうとしているのではないかな?と感じていました。
私は、お母さんを攻撃しないし、楽しく会話しているので安心したという感じを受けたころ、突然、登校しました。
中学校から、朝、HRに行ったら何の前触れもなく座っていたので担任がびっくりしてしまったと市教委から連絡がありました。
お母さんも、なんかわからないけれど学校に行ったと話していました。
弟も、両親の愛情を一心に受けて満足したのか、登校しました。
引きこもっている子は、段階的にって思っているかもしれませんが、そうでもないです。
ほかの子たちも、けっこう突然に登校するので、学校の先生があわてるということがよくありました。
不安いっぱいだった親が安心すると、子どもも普通に登校します。
私が3年間で関わった子たちは、ほとんどが学校や市教委、児童相談所とトラブっていた家庭です。
でも、みんな元気に登校していきました。
親の不安が消えると、子どもも元気になりました。
話を聞くにしても、大事なことがあります。
それは、自分を大事にすることです。
「いい人」というと聞こえはいいですが、「人にとって都合のいい人」です。
自分を犠牲にして、人のために動く人はいいことのように思います。
しかし、ストレスいっぱいで動いても人を幸せにすることはできません。
顔には出さないけれど、その「イライラ」が相手にも伝わってしまいます。
意味もなく相手をイライラさせてしまい、怒らせてしまうのです。
自分自身が幸せでないと、相手を良くすることなんてできないです。
自分のまわりにいる人たちも不幸にしてしまいます。
なんであんないい人が、事件の犠牲者に・・・!?
というニュースは多いです。
それは、我慢しているからです。
しかも、まわりには見せずに我慢してイライラしているから、相手をイラっとさせてしまいます。
先生も市教委や児童相談所の職員も、みんなストレスいっぱいです。
それだけでも、相手をイラっとさせてしまいます。
学級崩壊している担任も、何をやってもどう指導しても、悪化する一方という相談を受け、もうお手上げだから話してみてと言われたことがあります。
みんなから否定され続けて、身動きとれない状態でした。
「どうしたいですか?」って聞いたら、ビクビクしながら答えてくださいました。
「それでいいと思いますよ」って一言だけだったのですが、その直後から行動も変わり、クラスも落ち着き、保護者の苦情もなくなりました。
ちょっとしたことかもしれませんが、激変します。
そのためには、自分を幸せにということを心掛けています。
先日、来られた方も激変しました。
くわしくはこちら↓
世の中、不安いっぱいだから事件が起こるのです!
不安、恐怖、心配事を吐きだせば、世の中も変わっていきます。
でも、テレビをつけても、ネットを見ても不安になる情報しかないです。
ないものばかり見ているのをやめて、あるものを数えた方が幸せになります。
人と比べて、ないものを数えるのではなく、あるものを見てみましょう。